2012年02月

2012年02月27日

絞り込みなくして顧客視点なし

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

ここ最近のコンサルティングで、
企業様に共通して欠けていると感じるもの。

それは顧客視点

・・・って耳タコですね。
顧客視点に立つことは商売をする上での基本であり、
私などに偉そうに言われるまでもなく、企業様ご自身もわかっていることです。

ところが、
顧客が実際目にするパンフレットやホームページ、
顧客と直接接する営業マンのトーク、プレゼンを見せていただくと、
顧客視点ではなく、商品視点になっていることが多いのが実情なのです。

特に目につくのが、機能・性能のオンパレード。

「・・・という特長があります」
「従来比・・・倍の性能です」
「・・・を装備しています」

これらはすべて商品視点の情報発信です。

しかも機能・性能はどうしても専門用語が多くなりがちで、
商品知識のない素人にはチンプンカンプンな表現がほとんど。

まるでお客様に
「商品のことを勉強してから買いにきやがれ」
と言っているよう・・・

これでは、
機能や性能を計るモノサシを持っていない素人には売れません。

顧客不在なのです。

顧客視点に立つということは、
顧客がその商品を利用することで享受する価値・効用を情報発信するということ。

モノを売るでなくコトを売れ、とも言われていますね。

では、なぜわかっているのに顧客視点に立てないのか?

その一番の原因は、
顧客を具体的に絞りきれていないからだと思います。

価値を伝えるべき顧客の具体的なイメージがなく、
マス、つまり顔の見えない大衆を相手にしているから、
どの顧客にも当たり障りのない機能や性能説明にならざるを得ないのです。

地域、業態、客層などの切り口で顧客を絞り込んでしまえば、
その顧客の価値や効用は見えてくるもの。
絞り込みなくして顧客視点なし、だと思います。

さてみなさん、
パンフレットやホームページで顧客に価値は伝わっていますか?
そもそも価値を伝えるべき顧客は誰なのかイメージできていますか?



・・・娘が通う小学校の校歌の作曲者にどこかで見覚えのある名前が・・・
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ググったところ、
レイニーウッドのメンバーだった広島市出身の上綱克彦さん、その人でした。

上綱さんと言えばこの曲ですね。

ヴォーカルの柳ジョージさんと同じく、
私の十八番だったこの曲を何度も聴いてくれた仲間も、昨年芝生の下に眠ってしまいました。。。

※注意:音が出ます。


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2012年02月20日

しきい値を超える

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

如月2月も残り10日。
厳しい寒さはまだ続いていますが、
先日、春の訪れを告げる使者が私のもとへやってきました。

その使者の名は花粉症。

頼まれもしないのに、
奴は毎年やってきて、
4月いっぱいまで居座り続けるのです。

やれやれです・・・

さて、
花粉症の発症プロセスは次のとおりだそうです。

1.飛散した花粉が体内に侵入する
2.花粉を退治するため、IgEという抗体が作られる
3.過剰に作られたIgE抗体が体内に蓄積される
4.IgE抗体の蓄積が一定量を超えると花粉症の症状が出る

要するに、
私たちの体の中には、IgE抗体を入れるコップがあり、
コップが一杯になるまでは、まったく症状が出ないのに、
コップが一杯になり、IgE抗体が溢れ出した途端、花粉症が発症するというわけです。

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長年、花粉症と無縁だった私が、
10年ほど前に突然発症した原因は、
花粉症の仲間をバカにした天罰だったのではなく、
長年蓄積した抗体がコップから溢れ出したからだったのです。


この抗体が溢れ出す境界線、すなわちコップの容量を、しきい値(閾値)といいます。
しきい値を超えると効果が現れますが、それ以下ではまったく効果は現れません。
0か1かの境目です。
しきい値に達しない状態は、何もない状態と同じなのです。

たいていの人は、
やらないよりやったほうがいいと考えるので、
あれもこれも、やりたくなるものです。

しかしそれは、
コップを増やすことであり、
注ぐ水をそれぞれのコップに分散させるということです。

すると、コップが一杯になる確率は下がりますから、
どのコップにもそこそこ水は溜まっているけれども、一杯になったコップはひとつもない状態、
つまり、成果ゼロということになってしまうのです。

コップが割れたときのリスクに備えたい気持ちはわかります。
しかし、調達できる水の量には限りがあるのです。

成果を出すためには、

1.水を注ぐコップを選択し、水の注ぎ方を決めること(戦略立案)
2.しきい値を超えるまで、水を注ぎ続けること(戦術実行)

が必要ということです。


さてみなさん、
目の前のコップにはまだ半分しか水が溜まっていないのに、
次のコップに水を注いではいませんか?


・・・話とは全然関係ないのですが、
知り合いの社長がFacebookで紹介していた動画です。

腹抱えて笑ってしまいました。

広島にお越しの際は、
チンチン電車の全路線めぐりに是非チャレンジしてくださいね(笑)

※注意:音が出ます



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2012年02月13日

楽しく働くことが一番の教育

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

如月2月に入り、プロ野球もキャンプイン。
私が愛する今年の広島カープは、
期待の若鯉、野村投手の加入などで投手陣のコマが揃ってきた感じです。
今年こそ、かつて投手王国と言われた、カープの誇りを取り戻してもらいたいものです。

さて誇りといえば、
この週末の建国記念日に、
プロジェクトを率いた川口淳一郎氏の
「日本の誇り ~はやぶさプロジェクトの目指すもの~」
と題した記念講演会を、聴講して参りました。

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※iPhoneで頑張って撮ってみたのですが真っ白です・・・。

ちょうどはやぶさをテーマにした映画の封切と重なったこともあり、
会場は満員御礼でしたが、
とりわけ印象的だったのは、特に子供連れが目立ったこと。

世界初の小惑星サンプルリターンを成し遂げた
はやぶさプロジェクトの偉業を通じ、未来ある子供に日本の誇りを感じてもらいたい、
そんな教育熱心な親御さんが多いのでしょう。

確かに、
こうした偉い人の話を、直接聴く機会を与えることは、教育上有効ですね。

しかし私が思うに、子供への一番の教育は、
このような遠い存在の偉人の話を聴かせることよりも、
身近にいる親が、働くことにプライドを持ち、それを子供に見せること、だと思うのです。

お金をいただく仕事に限らず、家事、ボランティア活動など、
人は働くことで、自らの能力を生かす機会を与えられ、そして成長していくものです。

こうして国民が働くことで、国は豊かになり、
ひいては国の誇りにつながるのです。

ただ賢くなるためではなく、
教育の成果が、将来働くことに生かされなければ、無意味なのですから、
教育を行う上では、働くことに対する動機づけが、絶対に必要だと思います。

その一番のお手本は、活き活きと働く親の姿なのです。

ところが、嫌々働く親がいます。

月曜日から金曜日までガマンして働いて、
週末になると、いいパパを演じたり、
嬉々としてゴルフやパチンコに興じながら、
月曜日になると、再び憂鬱な表情で会社に向かう・・・

こんな親を毎日見ている子供が、
果たして働くことに前向きになれるでしょうか?

働くことにネガティブなイメージしか持てない子供が、
果たして勉強を頑張れるでしょうか?

ゴルフやパチンコを否定しているわけではありません。
週末のゴルフのわずかな楽しみのために、ガマンして働くことをやめて、
ゴルフと同じくらい、働くことに楽しみを見出すべきだ、と申し上げているのです。

親がポジティブに働く姿を見せることで、

「働くことってこんなに楽しいことなんだよ。
  お前が大人になったとき、
  父さん(母さん)のように働きたければ、 今何をすべきか考えてみなさい」

というメッセージを子供に伝えることが一番の教育なのだと思うのです。

このことは家庭の中の親と子供の関係に限らず、
会社における上司と部下の関係でも同じことです。

辛そうに働いている部長をいつも見ている社員が、
果たして将来管理職になりたいと思うでしょうか?


さてみなさん、
子供や部下にガミガミ言う前に、
自分自身は楽しく働けていますか?


・・・などと書いてみたものの、
実は私、いつも怖い顔して仕事してる、と恐れられていました。

自分ではとても楽しいつもりなんですけどね。

ウチの子の勉強へのモチベーションが一向に上がらないのは、
こんな表情の親を見ているからでしょうか。。。猛省です。。。


・・・もうひとつオマケ。
このブログを書いていたらこのフレーズが浮かんできました。
♪ただしゅう~まつの~わずかぁな~、かれと~のときを~♪

デートと同じくらい、働くことも楽しめればいいのにね。

※注意:名曲が流れます(笑)




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2012年02月06日

トップによる定期訪問

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

先日、ソフトバンクが第3四半期の決算を発表しましたね。

au のiPhone発売の影響が心配されたのですが、
蓋を開けると、iPhone3Gユーザーの他社流出は5万人程度にとどまったとのこと。

約300億円を投じた機種変更キャンペーンの効果もあったでしょうが、
iPhone3Gのときにソフトバンクに乗り換えた au ユーザーの出戻り需要や、
通話エリアの広さで、圧倒的に有利と思われた au iPhone が伸びなかったのは意外でした。

このソフトバンク iPhoneから、au iPhone への乗り換えのように、
継続して利用している商品を別の代替商品に変更する際にかかる
費用や手間のことを、スイッチングコスト と呼びます。

当然、
このスイッチングコストが高ければ高いほど、乗り換えは難しくなるのですが、
今回のiPhone 4S に関しては、代替品ではなく同じ商品であったばかりか、
スマホにとって生命線である通話エリアについては au が優れているなど、
スイッチングコストはかなり低いものだったように思います。

それにもかかわらず、
大半のユーザーが今契約しているソフトバンクをそのまま選びました。
他社に奪われたお客様を取り戻すことはこれほど大変なのです。

したがって既存客が安易に他社に流出しないよう
日頃から顧客基盤を強化しておくことが必要です。

顧客基盤づくりのために、
紙の日報、CRMやSFAなどのツールを利用して、
顧客情報を集めることは重要です。

ただしこれらのツールから上がってくる情報は、
すべて営業担当者のフィルターを通した情報であることを忘れてはなりません。

顧客とのさまざまなやり取りの中から、
営業担当者が主観で取捨選択した情報の一部が報告されているに過ぎないのです。

その商談も現場の担当者同士による日常的なやり取りがほとんどであり、
トップやキーマンからの重要な情報はなかなか上がってきません。

このように営業担当者に悪意がなくとも商談報告には必ず偏りがあるのです。

それゆえ、
営業担当者の報告だけで顧客をわかったつもりになるのは危険であり、
トップや幹部クラスが定期的に直接現場に出向くことが不可欠なのです。

トップが訪問すれば、
お客様のトップやキーマンが応対してくれることが多く、
そのほうが顧客との関係強化にはより有効であるし、
仮にキーマンが面談してくれない顧客であれば、
その顧客との関係が脆弱であると判断できます。

このようにトップによる定期訪問は効果があるのですが、
営業担当者には訪問計画を立てさせる会社が多い一方で、
自らの訪問に関しては、営業担当者からの同行要請の際に訪問するだけで、
計画的な訪問を行なっているトップはほんの一握りしかいないように感じます。

トップ訪問する顧客は、
営業担当者が決めることではなくトップが決めるべきなのです。

さてトップのみなさん、
社内会議や団体の会合のスケジュールより
既存客の定期訪問を優先しておられますでしょうか?


・・・先週の吹雪の山陰出張での帰り道のこと。

国道9号線沿いの山にこんな☆マークがクッキリと・・・
sign
宇宙人との交信用ですかね?


murakami_v70 at 07:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ビジネス