2014年05月

2014年05月26日

時限爆弾

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

ある日突然、
大口の得意先を失ったとしたらみなさんの会社はどうされますか?

こんな試練に打ち克つため、努力を重ねているのが先日お伺いしたA社です。

A社は売上の実に80%を占める超大口得意先から、
3ヶ月後に仕事をストップすると一方的に通告されました。

この大口先、
数年かけて少しづつA社への外注を増やし続け、
ほぼ下請状態にしたところで内製化するという理由でA社を切り捨てたのです。

さらに二次攻撃として金融機関を通じて会社売却の打診です。

同じやり方で会社を買い叩かれ、
設備と社員をそっくりそのまま明け渡した同業者もいるとのことで、
小規模企業でありながら充実した設備と高い技術者を揃えるA社は
最初から買収ターゲットに入っていたようです。

A社はこのオファーを断り、
企業存続のために新たな事業活動への取り組みを始めました。

具体的な事業内容は書けませんが、
「月5万円でいいから今の人材や設備から新たな収益が生み出せないか?」と、
自社経営資源の新たな活用手段を模索しながら、
既存事業とは異なる新たな事業分野へ次々にチャレンジしていったのです。


そして大口先を失ってから2回目の決算を迎えた現在、
新事業が着々と伸びた結果、
売上は大きく落としたものの今期は収支トントンまで回復し、
来期は黒字も見込める状態まで復活しつつあります。


「下請けをやっていた頃には今の事業なんて考えたこともなかった。
 今となっては大口先が仕事を切ってくれたことに感謝している」
現在も新事業へチャレンジし続けるA社の社長の言葉です。


A社に限らず私たちにおいてもお客様は確実に変化します。
そして残念ながら現在のお客様の多くは将来存在していないかも知れません。

政治、経済、社会、技術革新などのPEST分析と、
当社、お客様、ライバル会社に販売チャネルを加えた4C分析をかけあわせて未来を予測すれば、
A社のような「3ヶ月後」の時限爆弾ではないにしろ、
私たちも「5年後」「10年後」の時限爆弾を抱えていることがわかるはずです。

時限爆弾の爆発まで猶予がある今だからこそ新規事業の検討を始めるべきなのです。


さてみなさんの時限爆弾はいつ爆発予定ですか?



・・・新事業への取り組みには、ハングリー精神が不可欠です。

  ということで今週も引き続き"H"ではじまる
  ニューロマンティック系の代表格バンドの一曲です。

   注:音が出ます
   

murakami_v70 at 06:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ビジネス 

2014年05月19日

紹介営業

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

特定の地域に集中する戦略は、
コンビニが得意とするドミナント出店や、
ランチェスター法則における一点集中主義などでその効果が実証されています。

そんな事例のひとつがわが家周辺での外壁リフォームラッシュ。
今年に入り近隣だけで実に5棟、現在もお隣さんが工事中と大盛況です。

しかも数ある外壁リフォーム会社の中で、
すべてのリフォームをA社1社が手がけているのです。

そのA社がとうとうわが家にやってきました。

営業マンはまず
「◯◯さんの件でお伺いしました」
とアプローチをはじめます。

通常のピンポン営業では門前払いをするのですが、
「◯◯さん」というご近所さんの名前を出すので無下に断りにくく、
仕方なく玄関まで顔を出しました。

すると営業マンは、
「◯◯さんのお宅で外壁リフォームを担当することになった、
 工事中ご迷惑をかけるかも知れないので何かあったらご連絡ください」
とご挨拶。

でも本当の目的はここからです。

表向きの挨拶をさっさと済ませると、
「ところでお宅の外壁は・・・」
と、ヒアリングから始まる営業トークのオンパレード。

最後はお決まりの
「今月だけ」「この地域だけ」「お客さんだけ」「とりあえずお見積りだけでも・・・」
こんなトークで購買意欲を盛り上げていきます。

こうして最初の1棟の受注を足がかりに、
近隣のお家を次々と攻略した結果が現在の外壁リフォームラッシュというわけなのです。

このようにA社が顧客を開拓できているのは、
ドミナント営業と紹介営業をうまくミックスしているから。

たいていの営業活動では、
見込客に話を聞いてもらうまでが一苦労なのですが、
知っている人の名前を出すことでこのハードルがグっと下がるのです。

ただしA社は純粋な紹介営業ではなく、
勝手に施主の名前を使っているおり少々ブラックテイストなので、
私たちは正々堂々と既存のお客様からご紹介をいただく必要があります。

ところが、
お客様にご迷惑がかかるのではないか?
と紹介をいただくことに対してネガティブな営業マンは少なくありません。

でも考えてみてください。
そもそも私たちの商品やサービスは、
紹介いただいたお客様に迷惑をかけるようなものではないはずです。

しかしながら、
いくら優れた商品やサービスでもそれを必要としないお客様も存在します。
このようなお客様をご紹介いただいたときに限り、ご迷惑をかけるリスクがあります。

だからご紹介いただくときには、
「誰か紹介してください」ではなく、
「ISOを取得した会社」「採用でお困りの会社」「営業マンが10名以上の会社」など
具体例を挙げてお願いすればいいのです。

具体例を挙げることで、
紹介する側もイメージしやすくなり、紹介件数の増加にもつながります。

ただし営業マン自身が、
自社の商品やサービスにマッチする具体的なお客様をイメージできていなければアウトなので、
その点はしっかり教育をお願いします。


さて新規開拓でお悩みのみなさん、
紹介営業を推進してみてはいかがでしょうか?



・・・今回はH。
 
  日曜日の日経に、Hはアルファベットの8番目であることから、
  ドイツでハイル・ヒットラー(ヒットラー万歳)を意味する「88」を商品に使った
  P&G社が販売を中止したとありました。
 
  一方、アメリカで「86」とはレストランなどで客を追い出すことを意味するそうで、
  クルマ好きがうっかり口にすると大変なことになりそうです。

  いや~、数字ひとつでも海外進出の大変さが伺えます。

  では隠語を含んでいないであろうこの大ヒット曲をご紹介。
  ついつい口ずさんでしまう名曲です。

  注:音が出ます
  

murakami_v70 at 07:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ビジネス 

2014年05月12日

道の機会と脅威

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

地元ネタで恐縮ですが、
3月に広島南道路が商工センターまで開通したことで、
西広島バイパスの渋滞距離が5~7キロから3キロ弱に半減され、
庚午橋の交通量は2割減になったそうです。

同じ3月には東広島バイパスも延伸されており、
広島市内のアクセス状況はどんどん改善されています。

お客様によると、
商工センターから矢野の東部流通団地まで10分、
宇品から五日市のなぎさ公園まで6分しかかからないのだとか。

ずっと広島に住んでいる私には想像を絶する劇的な時間短縮です。

ナビの更新はまだ追いついていなくても、
私たちのビジネス脳は常に最新の地図にバージョンアップしておかねばなりません。

山口県でも、
徳山東ICを降りてすぐの久米地区で再開発が進んでおり、
3月にはインターチェンジから続く道路が整備されました。

私はよくここを利用するので、
道が整備されてとても便利なったもんだ、と喜んでいたのですが、
先週いつものように徳山東ICで降りたところ料金所のはるか手前から渋滞しているではありませんか。

てっきり事故だと思ったらそんなクルマは一台もなく
新たに出来た道まで続く自然渋滞だったのでした・・・

3月に道が開通してすぐの4月にはスイスイ通行できたのが、
たったひと月の間にこの道の存在が知れ渡ったせいか、
どうやらこれまで別の道やインターチェンジを利用していたクルマが集中しているのです。

そのクルマの中には、
これまではご当地に見向きもしなかった他地域の競合もいるはずです。

アクセス状況が変われば、人やモノの動きが変わり、商圏が変化します。
当然そこにはビジネスチャンスと脅威が混在するのです。

トムとジェリーのように地元の同業者と「仲良くケンカ」している間に、
新しい交通アクセスを利用して遠方のネコやネズミがやってくるかも知れません。
では対抗するための備えはできているでしょうか?


さてみなさん
地元の商圏に何か変化は起こっていませんか?


・・・え~と確か今週はGの番ということで、
  全米1位を獲得した82年のアルバム「ミラージュ」からのファーストシングルカット曲です。
  このバンドというよりボーカルのスティーヴィー・ニックスのなんとも言えない歌声が好きでした。
 
  注:音が出ます
  


murakami_v70 at 06:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ビジネス