弱者の戦略

2013年05月20日

くせ毛専門ヘアーサロン

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

各地で真夏日となった先週早くも沖縄が梅雨入りしたそうで、
私が住む広島もまもなく梅雨入りです。

そんな梅雨は超くせ毛の私にとって辛いシーズン。
それでなくてもウェーブがかった髪が湿気でクルクルになり、
前髪がキューピーのようになっていることもしばしば・・・

そこで梅雨に入る前にと先日カットに行ったのときのこと、
いつもカットを担当してくださる店長さんと、
「くせ毛と直毛ではカットやブローのやり方が違うんですヨ~」という話しになり、
そこで突然ひらめいたのが、

くせ毛専門ヘアーサロン


くせ毛矯正専門ではなく、
くせ毛を活かしたヘアースタイルを提案してくれる散髪屋さんです。
くせ毛人を悩ます日頃のお手入れのアドバイスもバッチリ。
もちろん直毛人やストレートパーマ希望者はお断り。

いかがです?
いろいろなしがらみで、
営業時間やカット料金などではなかなか独自性を打ち出しにくい散髪業界ですが、
これなら低価格競争に巻き込まれることなく
市場の中で十分な存在感を発揮できそうじゃないですか?

残念ながら店長には笑いながらスルーされましたが、
私は結構イケるんじゃないかと・・・。
これからカットのたびに耳打ちして出店をそそのかしたいと思います(笑)


このようにターゲットとなるお客様を絞り込む重要性については、
今では当たり前のように言われています。

しかし、
お客を絞り込む=お客を捨てる でもあるわけで、
絞り込んだと言いながら、それ以外のお客もしっかり抱えていて、
とても中途半端な状態になっていることが多いのです。

だから新規事業や既存事業テコイレをお手伝いする際には、
経営者の迷いを断ち切るよう促しながら、
お客を絞り込んだ事業計画書を策定するようにしています。

ところがこのような事業計画書を、
外部の専門家等や審査機関に見ていただくと必ず・・・

「もっとターゲットを広げるべきではありませんか」

というようなアドバイスを受けるのです。

絞り込むとマーケットサイズも小さくなるしリスクも高いから
ちゃんと保険をかけておきなさい、というわけです。

なるほどおっしゃるとおりなのですが、
こうした有識者の意見を反映すればするほど、
すべての市場を網羅する事業計画書に大変身。
気が付けばまったく独自性のない事業になっているのですが、
こっちのほうが審査のウケはよかったりします・・・

各種企業支援施策や補助金、借入などを受けるためには、
事業計画書の評価を得ることは必要です。

しかしながら、
目的はそのビジネスで成果を出すことです。

既存事業でさえ強者ではない私たちが、
さらに弱者となる新規事業に取り組む際は特に、
お客を絞ることで経営資源を一点に集中させるべきなのです。


さてみなさんの会社には、
くせ毛専門ヘアーサロンのような事業はありますか?


・・・くせ毛の英語は何?と調べたら直訳はないそうです。
  確かにあちらは Curly hair、Wavy hair の方ばかりで直毛は少数派です。
  だから海外進出の際は「直毛専門店」がいいですね。

  それでは、カーリーつながりのこのアーティストの曲をどうぞ。

  注:音が出ます
  


murakami_v70 at 06:56|PermalinkComments(4)TrackBack(0)

2012年08月20日

競争目標と攻撃目標

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

早速ですが、
これは一体なんの数字でしょうか。

 6 - 11(1)
 4 - 11(2)
 7 - 7(1)
 8 - 7(1)
 12 - 2(1)


すでにピンときた方はかなり通の方です。



では少し情報を付加してこうしたらどうでしょう。

G 6 - 11(1)
D 4 - 11(2)
S 7 - 7(1)
T 8 - 7(1)
B 12 - 2(1)


もうおわかりですか?

これは私が愛してやまない
プロ野球チーム広島東洋カープのチーム別対戦成績なのです。

優勝はおろか
クライマックスシリーズの経験もない
万年Bクラスのわれらがカープなのですが
今年はここまでなんと3位と大健闘しています。

この要因のひとつが
チーム別対戦成績にあると私は考えています。

先ほどのデータにさらに現在までの順位を付加するとこうなります。

1位 G 6 - 10(1)
2位 D 4 - 11(2)
3位 カープ!
4位 S 7 - 7(1)
5位 T 8 - 7(1)
6位 B 12 - 2(1)

上位のGとDにはほとんど歯がたたないのですが、
下位のチームとはトントンかそれ以上、
最下位チーム相手にはまるで横綱白鵬のような勝ちっぷりです。


今年のカープの状態こそ
ランチェスター弱者の戦略における

競争目標と攻撃目標の分離

です。


戦う以上1位を目指すのは当然ですし、
どうせ勝つなら強いチームに勝つほうが気分がいいに決まっています。

しかしながら現実問題、
他チームのエースと4番をかっさらう側の強者G相手に、
大事に育てた生え抜き選手をかっさわれる側の弱者カープが、
全力で戦いを挑んだところでせいぜい五分五分がいいところ。

たとえ勝ったとしても
すべての戦力を突っ込まざるを得ないので、
他のチームと戦うときにはもうボロボロの状態です。

そもそも
Gに勝とうがBに勝とうが1勝の価値は変わらないのですから、
ペナントレース中は3位に入ることが目標の弱者カープの場合、
勝ち頭のマエケンやノムスケを強者のGやDに先発させるのでなく、
できるだけ勝ち易い下位相手に投げさせるほうがベター。

だから、
マエケン、ノムスケを使わなかったこの週末の3連敗は全然大丈夫!
さすがケンジロウ、ランチェスターをわかってるぞ!
しかし昨日のサヨナラ負けは痛かった・・・

GやDを叩くのは、
クライマックスシリーズになったときなのです。
この借りは必ず返すぜ。みてろよ、GとD!

これが弱者の戦い方。

競争目標は1位の強者であっても、
攻撃する目標は自分が勝てる相手を選ぶということですね。


さてみなさん、
競争目標の強者を攻撃目標にしていませんか?



・・・ロンドンオリンピックの閉会式。
  改めてUKロックのカッコ良さを感じました。

  ブライアン・メイもラストを飾ったフーも良かったけれど、
  ロンドンがテーマのこの曲をかけて欲しかったなぁ。
  ま、この歌詞ではムリでしょうけどね。

  今は亡きジョー・ストラマーの「団結」ハチマキが印象的な
  とってもイカした日本公演の映像からどうぞ。

  注:音が出ます



murakami_v70 at 07:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年12月05日

弱者のカラオケ戦略

おはようございます。
経営コンサルタントの村上です。

晴れてiPhone4Sユーザーになりました。

ところが、真新しいiPhoneちゃんに画面シートを貼るとき、
空気を入れてしまうという愚行をやらかしてしまい、
少々ブルーな気分の師走の今日この頃です。。。
iPhone4S


それはさておき、先週のこと、
友達ファミリーと久しぶりにカラオケに行きました。

カラオケの楽しみ方は人それぞれですが、
負けず嫌いばかりの仲間とのカラオケでは、
採点機能をフル活用し、誰が一番で、誰がドベか、を競います。

もちろんドベになると、
容赦ないペナルティが与えられるのでみんな必死・・・
大人気ない戦いが繰り広げられるのです(苦笑)

こんな楽しみ方ができるのは採点機能があるからこそ。

以前のカラオケは、
ただ歌いまくるだけ、が楽しみだったのですが、
採点機能によって客観的な評価基準ができたことより、
私たちのような、醜い争い(笑)、という新たな楽しみ方ができたのです。

まさしく採点機能は、
歌の見える化」ツールと言えますね。


ところが今回のカラオケで新たな機能を発見!

最近は採点だけでなく、
曲ごとの全国順位もわかるんですね!
※最近じゃないかも知れませんが・・・

そこで早速チャレンジしたところ、

みごと全国2位

を叩き出しました!


1億2千万人の日の本の2位ですよ、スゴくないですか?


ところが仲間からは不評。
「なんでこれで2番?」みたいな・・・

実は、
2位となった私の歌の採点結果が約88点だったのに対し、
90点以上の高得点を叩き出した他の仲間がいたのです。

しかし肝心の順位はというと、50位とか100位とかそんな程度です。
その理由は、
歌ったのがポピュラーなヒットソングだったからに他なりません。

今流行のヒットソングは、
歌い手の競争が激しいレッドオーシャン

競争が激しいと、レベルも上がります。
だから、90点以上という高得点を叩き出しても、
トップテンにも入れないのです。


そこで勝ちにこだわる私は、
ランチェスター経営の竹田陽一先生が提唱する、
弱者の戦略における「小規模1位主義」を応用して、
小さな市場で1位をとるための曲を選んだのです。

その曲とは、

翳りゆく部屋

♪ま~どべ~に~おいた~♫ で始まる
ユーミンがまだ荒井由実だった頃の実に40年以上も前の曲です。

しかし古いとはいえ、シングルカットもされた往年の名曲。
私世代をはじめとした競争相手が存在する可能性があります。

そこで、
再び弱者の戦略から「部分1位主義」を適用。

オリジナルのユーミンバージョンではなく、
徳永英明のカバーバージョンを選択することで、
市場をさらに限定してダメ押し。

結果、
この曲を歌ったのは全国で20人程度という小さな市場。

狙い通り1位とまではいきませんでしたが、

全国2位

を獲得したのでした!


たとえ90点とったとしても、相手が強く順位が50位では市場の存在感はゼロ。
いずれは消えてなくなってしまいます。

そうではなく私たちのような弱者は、
88点でも1位がとれる市場で戦うべきなのです。

ベンチャーや中小企業は、
勝てる市場の選択が重要ですね。


さてみなさん、
今戦っているその市場で1位がとれますか?



・・・翳りゆく部屋、聴きたくなったでしょ?

では、オリジナルバージョンをお届けします。
感慨深い詩はもちろんのこと、
ユーミンの旦那が奏でるイントロのパイプオルガンがベリーグッドです。

※注意:音が出ます。




murakami_v70 at 07:30|PermalinkComments(2)TrackBack(0)